ハンドメイドを仕事にする

ここまで学んできた様々の手芸&クラフトは、自分や家族などのためだけに作って楽しんでも多いに満足できる大変充実した趣味です。
ですが、資格を取得するからにはもっと「仕事にも生かしたい」という考えもあるでしょう。
この章では、刺繍やアクセサリーなどの作品(ハンドメイド作品)を販売して仕事に生かす方法について学んでいきましょう。

Syda Productions/Shutterstock.com

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ハンドメイド作家という仕事

ハンドメイド作家、という言葉を聞いた事がありますか?
これはハンドメイドの作品を販売して仕事にしている人の呼び名で、ハンドメイド作家の活躍は多岐に渡ります。有名な雑貨店でのコラボ作品の販売、自身のアトリエでの作品販売、作家志望の人へのセミナー、本の出版、ブログでの作品の公開、ネット通販での販売など、ハンドメイド作品を作ることでできる活躍の場は想像以上です。
とくに近年はインターネットの普及によって、これまで実店舗を持ったり大手企業と関わりを持つことのできたごく限られた人にしかなかったハンドメイド作家としての活躍の場が、ネットのハンドメイドマーケットプレイスやブログなどの力でかなり多くの人がハンドメイド作家になるチャンスが出てきました。
自分の好きなことをして、その作品で人に喜んでもらって、上記のような様々な場面で活躍する….
イメージしただけでもとても素敵な仕事ではないでしょうか。
ですが、仕事というからには趣味の延長とは異なった意識が必要になってきます。
 

ハンドメイドを仕事にするために必要な意識

趣味で作品を作っているうちは、「自分が楽しいこと」だけで十分でした。ですから、自分が作りたいものを作り、そのできに自分で満足できれば十分ですし、たとえばプレゼントして身近な人に喜んでもらうだけで気持ちよくなることができます。
しかし、仕事にするということ=お金をいただく、ということですから、きちんとしたハンドメイド作家になるためにはプロ意識が必要です。
プロ意識とは、「自分の作品で売り上げを上げるんだ」という意識です。
無料のものをあげたり極端に安いものを提供して、それなりに喜んでもらうことは比較的簡単ですが、それでは趣味のまま仕事にすることは難しいですね。
「いいものを作り続けていれば自然に評価が付いてきて、仕事になる」というような意見も出回っていますが、現実には上で言ったような「きちんと本気で仕事にするんだ」というような心構えを持つことと、ビジネスとして成立させるための様々な工夫の両方を、現役の人気作家さんは持っているからこそ活躍できているという事実があります。
ただ楽しい、という状態から、お金を払う価値があると思ってもらえる作品づくりをする、というように意識を変えていくことがプロの作家になる第一歩です。
 

プロとアマチュアの違いのチェックリスト

わかりやすく考えるために、プロとアマチュアの違いを見ていきましょう。
こういう視点で捉えられるようになれば、あなたもプロハンドメイド作家に近づいていることがわかるでしょう。

アマチュア

  • 自分が好きなように作りたい(完成度や需要は考えない)
  • 簡単に作れるものからやりたい、手間はかけたくない
  • 材料費のことは考えない
  • お金はもらえなくてもいい、喜んでもらえればいい
  • 気分で作る作らないを決める

 

プロ

  • 買う価値があると思ってもらえる作品を作りたい(需要、完成度を考える)
  • 材料費をきちんと計算する
  • お金をもらえるように、売れるように計画し行動する
  • 気分によらず、安定的に作り続ける