レジン・道具と使い方

アクセサリーや小物作りに使用する道具として、一般的にも定着してきたUVレジンは、その性質からハンドメイド・クラフトの世界では広く愛されているものです。
ここでは、その性質や特性、UVレジンクラフトで使用する道具などについて詳しく学習して行きます。

UVレジンとは

レジン(英:resin)とは「樹脂」のことを指し、「UVレジン」は紫外線(UV)に反応して硬化する性質を持ちます。この性質を利用しUVライトで硬化させることにより、短時間で手軽に作品を作ることができます。

UVレジンの特性を把握する

硬まる前のUVレジンは、粘度がある透明な液体です。この粘度を利用することで、シールやセッティング台の上で流れにくく、作業しやすくなります。
もう一つ、一度硬化すると元の状態には戻らないという特性も持ちます。作業は丁寧に、また太陽光が入る場所ではできるだけ素早く作業するようにしましょう。

UVレジン使用上の注意点

  • アレルギーなど肌の弱い方は特に、レジンが肌の直接触れないようにする。もしくは、付着した場合にはすぐに除光液やアルコールなどで洗い流す。
  • 火の気がある場所では作業しない。
  • 作業中は換気をしっかりと行なう。
  • 太陽光の紫外線でも硬化するため、作業中は日の光に注意する。
  • UVレジンは冷暗所にて保管し、子供の手がとどかない場所におく。
  • 硬化する際に発熱する場合があるので、やけどなどに注意する。

UVライトを照射して硬化させる方法

UVレジンの作品作りでは、UVライトを用います。本講座ではライトが4本装着されている36Wタイプのものを使用しています。これよりも機械自体が小さいものやワット数が低いものもありますが、作品作りにはライトが4本装着されている36Wタイプがおすすめです。
照射は、UVレジン5mm程度の厚みで照射時間約2分を目安時間として照射していきます。(使用UVレジンやライトの種類によっても異なります。)もし表面が完全に硬化していない場合には、さらに照射時間を追加していくようにしましょう。

基本の道具

UVライト

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UVレジンは太陽の光からの紫外線でも硬化しますが、自然硬化では作品作りに時間がかかるため、UVライトを使用するようにしましょう。
UVライトにも様々な価格や性能のものがありますが、4本装着されている36Wタイプのものがおすすめです。数千円程度で市販されているもので、30秒、2分の照射がタイマーで行える機種が便利です。
UVライト使用時の注意点

  • 照射中に直接ライトを見ない。(特に小さいお子様は注意してください)
  • UVレジンは硬化すると高温になるため、取り出す際に注意する。(マスキングテープの作業台を作ってその上で作業すると便利です)
  • 長時間使用しているとライトの波長が弱まり目安時間で硬化しにくくなる場合があるため、そのような際には、照射時間を延長するかライトを交換する。

UVレジン

硬化後にかたく仕上がるハードタイプのものを使用します。UVレジンの種類によって透明度や粘度などが多少異なりますが、透明度が高く完成したものがクリアに見えるものがおすすめです。(写真①)

ナイロン筆

UVレジンを塗る時に使用します。動物毛の筆では毛が抜けやすく作業しにくいので、ナイロン製の筆の毛足が短いものを使用しましょう。(写真⑤)

つまようじ

UVレジンを広げたり、気泡を潰したり、UVレジンに入れたパーツを動かしたりと、細かい作業をする際に使用します。

マスキングテープ

マスキングテープの作業台を作り際に用いたり、プラバンに貼り付けて模様にしたりと様々な用途に用います。お気に入りのものを揃えておくとよいでしょう。

はさみ・カッター

マスキングテープやシールなど、素材をカットする際に使用します。

ピンセット

UVレジンに封入する素材を置く時など、細かい作業をする際にあるととても便利です。持ちやすくパーツがはさみやすいものを選びましょう。(写真④)

除菌用アルコール・無水エタノール

UVレジンを拭き取る際に用います。テーブルや手などについた時や、衣装する筆や道具などの掃除をする際にもあると便利です。

あると便利な道具

やすり

はみ出して硬化した部分などを削ってなめらかにします。ネイルバッファーなどでも◯。

綿棒

アルコールやエタノールなどを染み込ませて、細かい部分のはみ出しなどを拭き取る際に使用します。

ネイルスティック

スマートフォンケースなど面積が広いものにUVレジンを広げる際にあると重宝します。(写真③)

平ヤットコ・丸ヤットコ・ニッパー

完成したレジンパーツをアクセサリーなどに仕上げる際に使用します。ピンパーツをカットしたり丸めたり、飾りパーツを接続したりと、完成作品の幅が広がります。(詳しくはアクセサリー作りページ参照)

ピンバイス

硬化したレジンパーツに穴を開ける際に使用します。開けた穴には、ヒートンや丸カンなどを接続していきます。(写真⑦)

接着剤

UVライトが当たらなかった部分や、パーツとして接着する際に使用します。(写真⑥)

コート剤

UVレジンが布や紙に染み込んで、変色するのを防ぐコート剤です。レジン液を塗る前に刷毛で塗り、60分程度自然乾燥させます。
※布や紙に直接UVレジンを塗ると、色が暗くなったりすけたりするため、コート剤を塗ることで発色がよくなり完成作品が美しくなります。自然乾燥以外でもドライヤーなどで乾燥させるなど、一手間はかかりますがその分完成度が上がるのでおすすめです。

よく使用する素材

セッティング台

UVレジンを流し込める底とふちのあるパーツです。台にテープや布、マニュキュアなどいろいろな素材を合わせて、UVレジンで固めていきます。
写真のようなもの以外にも、底のないフレームタイプのセッティング台もあります。

マスキングテープ

様々な柄が豊富に揃うマスキングテープは、セッティング台の底に貼りつけて背景として使用したり、プラバンに貼ってUVレジンでコーティングするなど、様々な用途に使用できます。
また、作業をやりやすくするためのマスキングテープ台でも使用するので、何種類か揃えておくとよいでしょう。

UVレジン作品には、綿ローンなどの薄く芽が詰まった布が適しています。小さな端切れなどでも十分なので、お気に入りのものを見つけましょう。UVレジンに封入する際には、染み込みによる変色などを防ぐためにコート剤を塗るようにします。

ドライフラワーパーツ

小さく立体的なドライフラワーパーツは、モールドなどを使用するUVレジン作品に最適です。色や花の種類も様々なものがあります。

スタッズ

ネイルアート用の小さな金属製のパーツで、作品にアクセントを付けることができます。

ブリオン

ネイルアート用の小さな金色の粒パーツです。UVレジンに封入して散らせることで、華やかさがアップします。

ラインストーン・ビーズ

ネイルアートやデコレーションパーツとして使用されるラインストーンやビーズなどはUVレジン作品にも活用できます。封入する際にはポイントがあるので、下記「封入に向かない素材」を合わせて参照してください。

ラメ・マニキュア

セッティング台の底に塗ったり、UVレジンに混ぜ合わせることで、色付けをしていきます。UVレジンを直接着色せずに、様々なカラーリングを楽しむことができます。

アクセサリーパーツ

ピン類・カン類、丸カン・飾りカンなどのパーツやブローチ金具・カブトピン・ヘアピン金具などのアクセサリーパーツ、ヒートンなどを使用することで、UVレジン作品の幅が広がります。

封入に向かない素材

UVレジン作品を作る際に、いくつか封入に向かない素材があります。
背面が平らなラインストーンは、封入すると立体感がなくなり輝きも目立たなくなってしまうため、チャトンタイプ(背面がVカットされたもの)を選ぶようにし、背面が平らなものは作品の表面に貼り付けるようにしましょう。
また、油分や水分などが多い食品類も封入には適しません。(菓子類など)ドライフルーツなどUVレジンでコーティングする際には、しっかりと水分が乾燥していることを確認してから使用するようにしましょう。乾燥が不十分な場合、カビ発生の原因となります。
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